記憶を記録に

当たり前のことを、あーだこーだと理由を付けて大事だなあと納得するのが好きな人のブログです。

就職活動中の妹の話

とりとめのないことを、沢山書こうと思った。
 
特に誰かに伝えたいわけではないけれど。
理由があるとしたら、私はどうやら論理的に思考して言語に落とし込むのが苦手のようで、感覚的に写真のように脳を通り過ぎてゆく日々をあいまいな言葉で綴ることは、案外心地いい営みかもしれないと思ったからだ。
 
就職活動が全くうまくいっていない妹から、すごく恐縮そうにウェブテストを受けてほしいという連絡が来た。いわゆる替え玉受験ってやつだ。みんなで一緒に受けたり、分からない問題を近くにいた人に聞いたり、就職活動をやっている人なら、きっとだれでもやっている。答えの出回るウェブテストが測るものは、学力なんかじゃなくて、友人の数なんじゃないのか。だから、どうしてもウェブテストで落ちてしまうようなら、誰かに受けてもらいなよと妹に言った。するとその連絡が、私にきた。
 
受けてくれと本当にいわれると、急に怖くなった。人の人生のかかった場面を託されて、へまをしない自信を持てるほど、私はものごとが起こる確立や人の歩く速さに詳しくない。論理にも弱い。
少し考えたけれど、普通に断った。もっと適任者がいる。
 
そのウェブテストを通過して入れる会社は、若手アーティストを応援するギャラリーだと聞いていた。名前を聞いても分からなかったので、ギャラリーの名前を検索した。そのギャラリーは、某有名IT企業が社会貢献活動の一環として運営しているものだった。某IT企業は、私が大学生の頃憧れていた企業だった。サマーインターンの選考で、過去の触れてほしくない部分にまで土足で突っ込んでこられて、泣いた。落ちた。その会社のこともなんとなく苦手になった。
だけど、エネルギッシュで賢くて戦闘力が高くて種として強そうな人がたくさん入社する、その会社が一流なのは間違いなくて。そのギャラリーが会社だと思い込んでいて、やりたいことを仕事にしたいとのたまう世間知らずの妹が受かる気がしなかった。
 
世間を知らない、数学が出来ない妹が、悪いのだろうか。やりたいことを仕事でやりたいという妹が、悪いのだろうか。そうではないと思う。
妹は中学高校と真面目に通い、習い事のピアノをがんばって、大学は付属の芸術学部に入った。もともとのんびりしていた妹の性格を見極めて、大学付属校にいれた両親の考えは間違っていなかったのかもしれない。
大学では楽しそうに好きなことにのびのび取り組んでいた。好きなことを勉強して、ゼミやサークルもバイトもやって、普通の大学生だった。
普通にがんばってた普通の人が、やりたいことを仕事にして生きていくのは、難しい社会なのだ。やりたいことのない人にやさしい社会なのだ。普通に中学高校大学といって就職活動をすれば選ばなければ職に就いて生きていける。
学校も親もそんなこと教えてくれない。妹は、悪くない。